東京競馬場のコース解説
東京競馬場の特徴
JRAの10開催競馬場で左回りコースが設定されているのは3競馬場で、その内の一つが東京競馬場である(府中競馬場とも称され施設内には競馬博物館がある)。一般的な楕円形の周回コースであるが、日本一の競馬場に相応しくスケールが大きい。芝コースの距離は、新潟外回り、阪神外回りに次ぐ2083mで、その直線距離は525.9mと新潟競馬場に次いで2番目に長い。向正面と4コーナーを回った直線入り口とに2つの坂があり全体の高低差は2.7mである。3~4コーナーの形は若干いびつだが、1~2コーナーは約R187mと大きい。幅員は41mと広いためA~Eコース5段階設定となっている。 距離の長さ、コーナーの大きさ、直線距離の長さ、幅員の大きさ等、総合的に見て日本を代表する競馬場で、大レースであるジャパンカップや日本ダービーが開催される。1800m・2000mの距離ではコーナーからのスタートを避けるために外周コースのような3コーナー引き込みからのスタートとなる。
- 芝1400
- 1400mはスタート後すぐに3コーナーのカーブがあるので、枠順は真ん中より内が欲しい。 最後の直線は長いが、逃げ・先行馬が有利。前半にダッシュ良く好位をキープし、3~4コーナーのカーブで息を入れて、最後の直線で二の脚を使うのが理想。上級クラスになると展開が厳しくなり、マイル戦もこなせるスタミナ量が必要になってくる。GⅡの京王杯SCは、マイラータイプの馬の方が強いレース。
- 芝1600
- 直線に入った直後はインコースで馬群が密集しやすい。ここを上手に捌けるかがポイント。マイル戦としては、日本一タフなコースで、逃げ切るのはかなり難しい。上のクラスになればなるほど差しが決まる。かといって、追い込み一辺倒でも厳しく、ある程度先行力と末脚の持続力が必要。マイル以上の距離適性が求められ、中距離もこなせるスタミナを持つ馬の方が心強い。
- 芝1800
- 多頭数になった場合は大外枠も不利。真ん中ぐらいがいい。 全体的な流れは落ち着きやすく、逃げ・先行有利。重賞クラスでも超スローの上がり勝負になることはめずらしくない。そうなった場合は、速い脚を持っている馬が強いが、あまり後ろにいると届かない。そのため、前半の位置取りが重要になってくる。
- 芝2000
- 枠順は平等とは言い難い。2コーナーまでの距離が短いため、外枠を引いた逃げ・先行馬はすんなり内へは入れない。無理に行くと、内側の馬を被せることになり、審議対象になる可能性がある。展開云々、脚質よりも長くいい脚を使える馬にとって有利なコースだ。
- 芝2300
- 回り終えるまでは淡々とレースが進み、最後の直線での末脚勝負になる。枠順は普通は外枠が不利のように見えるが、これまでの結果を見るとそうでもない。ただし、いずれも下級条件のレースのみの結果なので、コースの本質は上級クラスのレースが行われないとわからない。脚質的には先行馬が最も好成績を残している。
- 芝2400
- 枠順の有利・不利はほとんどない。全馬が力をフルに発揮できるコース形態になっている。結局は最後の直線での追い比べがポイントであること。逃げ・先行で押し切るためには、相当な力が必要だが、スタミナ豊富な先行馬は注意。勝てないまでも2、3着に残りやすい。
- 芝2500
- 前半は中団以降で脚を溜めて、最後の直線で強烈な末脚を温存できる馬が強いコースだ。 しかし、単純な瞬発力勝負ではなく、消耗戦での末脚勝負。血統的にもスタミナを有する重めの長距離血統が強い。